この企画は,第一線で活躍中の脊椎外科医にお願いして実現した企画である.リウマチ医,とくにリウマチ関節外科医にとって,薬物治療に反応せず経過不良例に頻発する傾向があるRA頸椎病変は,しばしば頭の痛い問題である.今回はその頭の痛い問題を整理するために各パートの執筆者に明確な記述をお願いした.


保存療法に関しては頸椎を装具によって固定し,それによる自然経過の変更は現状困難であることが述べられている.それが困難であるが故に,厳格なフォローアップと早期のコンサルテーションが重要であることがよく理解できる.手術についてはShort fusionとLong fusionの2つの立場からその適応と結果が詳述されている.いずれも示唆に富んだ内容であって,リウマチ医にとってRA頸椎病変に対してどういう態度で治療に当たるべきか考える良い資料となっている.今回執筆いただいた脊椎外科医の方々にお礼を申し上げるとともに,これらが読者の先生方の臨床に役立つことを祈念するものである.


名古屋大学大学院医学系研究科機能構築医学専攻

運動・形態外科学講座整形外科教授

石黒直樹 Ishiguro Naoki


総論/石黒直樹

DEBATE 1 保存的治療/小田剛紀

DEBATE 2 手術的治療:Short fusion/鐙邦芳 ほか

DEBATE 3 手術的治療:Long fusion/松山幸弘

・コメント/石黒直樹