日常の診療で目標にすべき「関節リウマチ(RA)の寛解は何で判断するのか?」のテーマで,お2人のシニアなリウマチ専門医にCDAI, SDAI, DAS28を中心に論じていただいた.


寛解だけでなく,RAの総合的活動性指標としてのそれぞれの意義についても,その歴史的経緯から述べていただき,これらの指標の再認識を含めてよい勉強になったと考える.そもそも,RAにおける寛解とは何か,ということに関して明確な概念があるわけではないので,日常臨床でそれに到達することを目標にするということにやや無理があるのは事実である.それはRAの病因,病態,とくに関節破壊のメカニズムの詳細が理解できていない現時点ではやむを得ない点もある.しかし,日常の臨床では次善の指標であっても治療の方向性を決めるファクターとして非常に重要であることは間違いない.理想的な寛解の指標は何かに関しては,今後もリウマチ学が追及し,解決しなくてはならない,大きな問題のひとつである.


東京大学大学院医学系研究科内科学専攻

アレルギーリウマチ学教授

山本一彦 Yamamoto Kazuhiko



総論/山本一彦

DEBATE 1 CDAI,SDAI/田中榮一

DEBATE 2 DAS28/松井利浩

・コメント/山本一彦