History 筋ジストロフィー医療発展の歴史
筋ジストロフィーの治療研究の歴史(5)
―DMDに対するステロイド治療―
掲載誌
MD Frontier
Vol.2 No.2 50-55,
2022
著者名
武田 伸一
/
鈴木 友子
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
小児疾患
/
神経疾患
診療科目
小児科
/
神経内科
媒体
MD Frontier
Key Words
グルココルチコイド,筋ジストロフィー,炎症,免疫抑制,筋萎縮,転写調節,NF-κB,ステロイド
グルココルチコイドはデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)患者の歩行可能な期間を2~3年延長し,呼吸機能,心機能低下や側弯症の進行を抑制し,生命予後を改善するとされる.2013年には国内で薬事承認を受け,『デュシェンヌ型筋ジストロフィー診療ガイドライン2014』に掲載されて以降,標準的治療として広く処方されている.しかし,グルココルチコイドには広範な生理作用があり,長期投与により副作用(低身長,骨粗鬆症・骨折,満月様顔貌,皮膚の菲薄化,多毛,耐糖能異常,肥満,白内障,高血圧,不整脈,多動・イライラ感,免疫不全など)が生じる.副作用を減らした新規ステロイドが開発中であるが,好ましい作用を残し,副作用を除いた理想的な薬剤が処方される日が訪れるだろうか.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。