THEME これからの脳卒中・循環器病の診療治療体制 Special Articles
循環器病対策推進計画におけるロジックモデル
掲載誌
Cardio-Coagulation
Vol.9 No.4 29-36,
2023
著者名
埴岡 健一
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
循環器
診療科目
循環器内科
媒体
Cardio-Coagulation
Key Words
脳卒中,心疾患,循環器病対策,ロジックモデル,プログラム評価
2022年3月末までに都道府県の大半が循環器病対策推進計画を策定し,地域の循環器病対策に関する計画は大きく内容が充実した。基本法の制定→基本計画の策定→学会計画案(ロジックモデル)の策定→都道府県計画の好事例誕生,といった流れで進展がみられた。
政策体系の整合性の観点において,数県の計画で好事例が誕生した。その要因として,ロジックモデル(対策の目的と施策の関係図)によって政策体系を可視化して議論することが普及したことが挙げられる。本稿では,その経緯を辿ってみたい。
目下の課題は,好事例が生まれたために結果として生じた計画の質の地域差を,2023年度の第2期計画策定時に均てん化(あまねく質が高い状態となっていること)することである。
全都道府県がロジックモデルを活用して計画を策定すれば,都道府県間で計画を比較してベストプラクティスを把握することが容易になり,国全体の患者アウトカム向上に寄与するだろう。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。