連載 患者様満足度講座
患者様の満足度を高めるためのドライアイ診療とは
~医療スタッフによるコミュニケーション⑤~
掲載誌
Frontiers in Dry Eye
Vol.17 No.2 14-17,
2022
著者名
武田 尚子
/
江口 秀一郎
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
眼疾患
診療科目
眼科
媒体
Frontiers in Dry Eye
Key Words
ドライアイ,QOV,問診,マイボーム腺機能不全
ドライアイは慢性的な眼の不快感を引き起こす主要な一因であり,患者様の生活の質(quality of life:QOL)を長期にわたって損なう疾患です。日本においてドライアイを発症している患者様は最大2,200万人ともいわれ,他の眼疾患を大きく引き離しての有病率がありますが,実際に医療機関へと通院し,加療が行われている患者様は数百万人程度にとどまるとされています。我々は日々多くの患者様に接していますが,限られた診療時間のなかで患者様が悩んでいる症状を汲み取りきれていないこともあると思われます。ドライアイはさまざまな方面からの治療法が現在開発されており,介入一つで患者様の日々の視覚の質(quality of vision:QOV)を上げることができます。日常診療において,多くの患者様にドライアイがあるのではないかと常に念頭に置いてお話に耳を傾け,眼科医はドライアイという疾患に対する受け皿を広くもつことが必要だと考えています。
最近はコンタクトレンズ装用やコロナ禍でのステイホーム,在宅勤務による長時間のパソコン作業が世間に浸透してきていることもあり,若い世代を含めドライアイの症状を訴える方が年々増えています。
今回原稿を書かせていただく機会をいただきましたので,当院のドライアイ診療について述べさせていただきます。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。