治療
新型コロナウイルス感染症ー高齢者の治療
掲載誌
インフルエンザ
Vol.23 No.1 23-30,
2022
著者名
忽那 賢志
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
媒体
インフルエンザ
Key Words
COVID-19,SARS-CoV-2,レムデシビル,バリシチニブ,デキサメタゾン
新型コロナの経過は,発症から1週間程度はかぜ様症状や嗅覚・味覚異常などの症状が続く.この時期はウイルス増殖期と考えられるため,抗ウイルス薬によって増殖を抑えることが理にかなっていると考えられる.また,感染者の2割は肺炎が増悪し,炎症反応が過剰に起こることによって重症化する.高齢者は特に重症化リスクが高い.この時期は過剰に起こった炎症を抑えるためにステロイドなどの抗炎症作用をもつ薬剤を使用するのが合理的と考えられる.つまり,現時点では新型コロナウイルス感染症の病期に合わせて「抗ウイルス薬」と「抗炎症薬」を組み合わせて行うという考え方になってきている.発症早期では抗ウイルス薬の効果が期待されるが,重症化してからは効果は期待されない.一方,抗炎症薬は発症早期では効果は期待できず,重症化してからの使用が推奨される.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。