Doctor Interview My Practice
尾﨑眼科
掲載誌
Frontiers in Glaucoma
Vol.0 No.65 58-62,
2023
著者名
尾﨑 峯生
記事体裁
連載
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施設紹介
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抄録
疾患領域
眼疾患
診療科目
眼科
媒体
Frontiers in Glaucoma
「My Practice」の原稿を依頼されたとき,開業医の私が受けていいものか戸惑いましたが,ご指名ですのでわれわれの落屑緑内障への取り組みについて綴らせていただきます.
私が熊本大学医学部6年生だった1979年,出田秀尚先生(ハーバード大学,熊本大学を経て出田眼科病院.ハーバード大学で廣瀬龍夫教授と同期)が,裂孔原性網膜剝離に対する新しいシリコン・インプラント手術について講義をされました.当時は,石原忍先生の古典的眼科学教科書の時代だったので,出田先生の全く教科書に載っていない最新の講義内容に感動し,眼科への興味を深めました.高潔なお人柄と深い学識で知られた岡村良一教授の眼科に入局すると,オーベンの馬場裕行先生は落屑緑内障研究で有名な布田龍佑先生の緑内障班において,日夜,落屑緑内障の房水研究をされていました¹⁾ ²⁾.数年後マサチューセッツ眼耳鼻科病院眼科の廣瀬教授の研究室を見学した際(写真1),緑内障を伴う未熟児網膜症のオープンスカイ硝子体手術後に,緑内障のRichardson教授から「君の大学はどんなことを研究しているのか」と問われ,熊本大学における落屑緑内障研究の概略を説明したところ,アジアから来た若い医師の拙い話にも丁寧に耳を傾けられる寛容さに驚き,また落屑緑内障研究は世界的にも重要な研究なのだと実感させられました.その後,私は神経眼科班に配属され,眼球運動の核上性制御機構をtransneuronal tracerを用いて神経解剖学的に研究しました³⁾.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。